PISAはOECD(経済開発機構)が3年に一回、15歳の生徒の読解力、数学、科学に関する能力を調査する。テストの結果は中国の教育制度が多くの西側国家を超えていることを示しており、中国の政治経済の成長に強い関心を抱く人々にとって、この国がどうやって次世代を担う人材を育成しているかを知る手掛かりとなっている。
中国では、成功へのカギは教育にあるという考えが根強い。貧しい学生であっても、他国が羨むような好成績を上げており、教育に力を入れる中国の社会状況を表しているとみられている。
「学校で良い成績を取れるのはなぜ?」という質問に対し、各国の生徒の回答は大きく異なる。北米の生徒は「生まれつき数学の才能があるから」「生まれつきこの方面の才能がないから」と、運を理由にすることが多い。ヨーロッパでは、「父親が配管工だから、自分も配管工をする」と、「社会的遺伝」に基づいた回答をする。一方中国では、90%以上の生徒が「全力を尽くすかどうかにかかっている。一生懸命勉強すれば成功できる」と回答する。彼らは責任を受け入れ、困難を克服する覚悟を持っている。自分自身を「運命の主人」として、決して制度のせいにすることはない。