目の前の相手が悲しんでいるとき、その自分の感情を思い出していただきたい。同情とか、共感とか、力になってやりたいといった気持ちが起こるだろう。また、人に親切にしたときや贈り物をしたときなど、相手がうれしそうな表情やしぐさをして、喜んでいるとわかれば、自分もうれしくなるだろう。このようにして相手の感情がわかり、それに対して共感する気持ちが生まれれば、それは相手に対する好感情につながる。
だが、喜んでいるのか悲しんでいるのか、さっぱりわからない人の場合はどうだろうか。その人にどう接していいかわからず、共感うる気持ちもわかない。なんとなく敬遠したくなるのではないだろうか。
とくに若い世代は、感情を表にあらわさない人に対して、「分からない人」という評価を下し敬遠しがちだ。そのため、人と話すときに自分の感情をうまくあらわせない少年少女は、クラスメートたちから仲間はずれにされやすく、ときにはいじめられっ子になったりもする。感情をうまく表にあらわせない人は,対人関係が悪くなりやすいのである。
問い:この文章で筆者が最も言いたいことは何か。
1 相手の感情がわからない人は、仲間はずれにされたりいじめられたりする。
2 自分の感情を相手に対して上手に出していけば、良い人間関係を作りやすい。
3 目の前にいる人が自分の気持ちに共感してくれないと、その人との関係が悪くなる。
4 感情を表に出さない人より、表に出す人のほうが人間関係で問題が起きやすい。