【日本文学】银河铁道之夜(9)B


《银河铁道之夜》是日本作家宫泽贤治创作的童话,叙述一个贫苦而孤独的少年在梦中和好友乘坐火车畅游银河的故事。

作者以其神妙之笔建构了一个繁华似锦的银河世界,美不胜收的景致下又隐含了一个悲哀孤独的情感世界。



ジョバンニ切符B

 第九章  乔班尼的车票(B)


「何だか苹果の匂いがする。僕いま苹果のこと考えたためだろうか。」カムパネルラが不思議そうにあたりを見まわしました。


「ほんとうに苹果の匂だよ。それから野茨の匂もする。」ジョバンニもそこらを見ましたがやっぱりそれは窓からでも入って来るらしいのでした。いま秋だから野茨の花の匂のする筈はないとジョバンニは思いました。


“我好像闻到一种苹果味儿。大概是由于我想到苹果的缘故吧。”康贝内拉不可思议地环视四周。

“是有一种苹果味儿,还有一点野蔷薇的香味儿。”

乔班尼看了看周围,他觉得好像还是由窗外吹进来的气味儿。

可乔班尼又一想,现在是秋天,怎么会有野蔷薇花的芬芳呢?

 そしたら俄にそこに、つやつやした黒い髪の六つばかりの男の子が赤いジャケツのぼたんもかけずひどくびっくりしたような顔をしてがたがたふるえてはだしで立っていました。隣りには黒い洋服をきちんと着たせいの高い青年が一ぱいに風に吹かれているけやきの木のような姿勢で、男の子の手をしっかりひいて立っていました。


「あら、ここどこでしょう。まあ、きれいだわ。」青年のうしろにもひとり十二ばかりの眼の茶いろな可愛らしい女の子が黒い外套を着て青年の腕にすがって不思議そうに窓の外を見ているのでした。


几乎与此同时,一个五六岁、头发乌黑油亮的小男孩突然站到眼前,红夹克衫的纽扣敞开着,一副惊恐的表情,全身瑟瑟发抖,赤裸着双足。小男孩身旁站着一位身着黑色西服、衣冠楚楚的高个子青年,他紧紧拉着男孩子的手,那姿态恰如疾风中巍然挺立的光叶榉树,肃穆而庄严。

“哎,这是哪儿呀?噢,真漂亮!”青年人身后,还跟着一个十二岁左右、茶色瞳孔、十分可爱的小女孩,她穿着黑外套,挽着青年的胳膊,惊奇地看着车窗外面。

「ああ、ここはランカシャイヤ(注:英国兰开夏郡)だ。いや、コンネクテカット州(注:美国康涅狄格州)だ。いや、ああ、ぼくたちはそらへ来たのだ。わたしたちは天へ行くのです。ごらんなさい。あのしるしは天上のしるしです。もうなんにもこわいことありません。わたくしたちは神さまに召されているのです。」黒服の青年はよろこびにかがやいてその女の子に云いました。けれどもなぜかまた額に深く皺を刻んで、それに大へんつかれているらしく、無理に笑いながら男の子をジョバンニのとなりに座わらせました。


 それから女の子にやさしくカムパネルラのとなりの席を指さしました。女の子はすなおにそこへ座って、きちんと両手を組み合せました。


“这里是蓝开夏。不,是康涅库德克特州。也不是,我们是来到了天空。我们要到天上去了,你们看!那个标志就是天上的象征。这回我们可就什么也不怕了。是上帝召见我们啦。”黑西装青年喜形于色地告诉女孩子。可不知为什么,额头又随即浮现出皱纹,显得十分疲惫不堪。他勉强微笑着,叫男孩子坐在乔班尼旁边,然后又和蔼地向小女孩指了指康贝内拉身旁的座位。女孩子温顺地坐下,文静地合并双手。

「ぼくおおねえさんのとこへ行くんだよう。」腰掛こしかけたばかりの男の子は顔を変にして燈台看守とうだいかんしゅの向うの席に座ったばかりの青年に云いました。青年は何とも云えず悲しそうな顔をして、じっとその子の、ちぢれてぬれた頭を見ました。女の子は、いきなり両手を顔にあててしくしく泣いてしまいました。


「お父さんやきくよねえさんはまだいろいろお仕事があるのです。けれどももうすぐあとからいらっしゃいます。それよりも、おっかさんはどんなに永く待っていらっしゃったでしょう。わたしの大事なタダシはいまどんな歌をうたっているだろう、雪の降る朝にみんなと手をつないでぐるぐるにわとこのやぶをまわってあそんでいるだろうかと考えたりほんとうに待って心配していらっしゃるんですから、早く行っておっかさんにお目にかかりましょうね。」


“我要找菊代姐姐。”男孩子屁股刚着座,便朝要坐在灯塔看守旁边的那位神情怪异的青年喊道。青年脸上现出难以形容的哀愁,死死盯住男孩那头髦曲、湿漉的黑发。小女孩猛然用双手捂住脸抽抽搭搭地哭泣起来。“爸爸和菊代姐姐还有很多事呢,不过他们马上就会跟来的。再说,妈妈已经盼望了很长时间。大概她在想:我的宝贝儿,在唱什么歌呢?风雪降临的清晨,和伙伴们手拉手绕着院子和草丛欢笑吗?妈妈是真心实意地盼望、挂念着你呢,还是快点来见妈妈吧!“

「うん、だけど僕、船に乗らなけぁよかったなあ。」


「ええ、けれど、ごらんなさい、そら、どうです、あの立派な川、ね、あすこはあの夏中、ツインクル、ツインクル、リトル、スター をうたってやすむとき、いつも窓からぼんやり白く見えていたでしょう。あすこですよ。ね、きれいでしょう、あんなに光っています。」


“嗯,不过,我要是不坐那条船就好了。”

“是呀。可是你看,天空多好,那壮观的河流!在那里,整整一个夏天,我们在唱着童谣”闪闪的星星“休息时,从窗口隐隐约约望见的那片白茫茫的东西,就是那里。你看,多漂亮呀!是那样地光芒灿烂。“

 泣いていた姉もハンケチで眼をふいて外を見ました。青年は教えるようにそっと姉弟にまた云いました。


「わたしたちはもうなんにもかなしいことないのです。わたしたちはこんないいとこを旅して、じき神さまのとこへ行きます。そこならもうほんとうに明るくて匂がよくて立派な人たちでいっぱいです。そしてわたしたちの代りにボートへ乗れた人たちは、きっとみんな助けられて、心配して待っているめいめいのお父さんやお母さんや自分のお家へやら行くのです。さあ、もうじきですから元気を出しておもしろくうたって行きましょう。」青年は男の子のぬれたような黒い髪をなで、みんなを慰なぐさめながら、自分もだんだん顔いろがかがやいて来ました。


「あなた方はどちらからいらっしゃったのですか。どうなすったのですか。」さっきの燈台看守がやっと少しわかったように青年にたずねました。

姐姐停止了哭泣,用手帕擦干眼泪,望着对面。青年又开导似地轻声轻语对姐弟俩说:“我们已经不必再为任何事而悲伤。我们是在这么美好的地方旅行,马上就可以去上帝那里。那个地方,明亮而充满芳香,有许许多多善良、亲切的人。还有,代替我们乘上小汽艇的人们,一定都会得救的,他们可以分别回到焦急地等待着他们的父母身边,回到他们自己的家。好了,马上就到了,打起精神,让我们唱着歌前进吧!”青年抚摩着男孩那头湿漉漉的黑发,安慰着他们俩,自己的脸色也渐渐容光焕发。

“你们几位是从哪儿来?怎么了?”

刚才的灯塔看守总算看出了点眉目来,他问青年人。

主播 | nami

小编 | reno

责编 | 日语之声

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