【日语共读】《罗生门》连载(4)

皆さん、こんばんは、zoeと申します。各位听众朋友们大家晚上好,我是今天共读栏目的主播zoe。今天我们继续共读的是日本小说家芥川龙之介先生的短篇小说《罗生门》。では、一緒に聞きましょう。

羅生門

芥川龍之介

下人は、守宮(やもり)のように足音(あしおと)をぬすんで、やっと急な梯子(はしご)を、一番上の段まで這う(はう)ようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、平(たいら)にしながら、頸を出来るだけ、前へ出(だ)して、恐る恐る(おそるおそる)、楼の内(うち)を覗(のぞ)いて見た。

家将壁虎似的忍着脚声,好不容易才爬到这险陡的楼梯上最高的一级,尽量伏倒身体,伸长脖子,小心翼翼地向楼房望去。


見ると、楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの死骸(しがい)が、無造作(むぞうさ)に棄ててあるが、火の光の及ぶ(およぶ)範囲が、思ったより狭いので、数(かず)は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に裸の死骸と、着物を着た死骸とがあるという事である。勿論、中には女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、かつて、生きていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土(つち)を捏(こ)ねて造った人形のように、口を開(あ)いたり手を延(の)ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの高くなっている部分に、ぼんやりした火の光をうけて、低くなっている部分の影を一層(いっそう)暗くしながら、永久(えいきゅう)に唖(おし)の如く(ごとく)黙っていた。

果然,正如传闻所说,楼里胡乱扔着几具尸体。火光照到的地方挺小,看不出到底有多少具。能见到的,有光腚的,也有穿着衣服的,当然,有男也有女。这些尸体全不像曾经活过的人,而像泥塑的,张着嘴,摊开胳臂,横七竖八躺在楼板上。只有肩膀胸口略高的部分,照在朦胧的火光里;低的部分,黑漆漆地看不分明,只是哑巴似的沉默着。


下人(げにん)は、それらの死骸の腐爛(ふらん)した臭気(しゅうき)に思わず、鼻を掩(おお)った。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとくこの男の嗅覚(きゅうかく)を奪ってしまったからだ。

一股腐烂的尸臭,家将连忙掩住鼻子,可是一刹间,他忘记掩鼻子了,有一种强烈的感情,夺去了他的嗅觉。


下人の眼は、その時、はじめてその死骸の中に蹲(うずくま)っている人間を見た。檜皮色(ひわだいろ)の着物を着た、背の低い、痩(や)せた、白髪頭(しらがあたま)の、猿のような老婆(ろうば)である。その老婆は、右の手に火をともした松の木片(きぎれ)を持って、その死骸の一つの顔を覗きこむように眺めていた。髪の毛の長い所を見ると、多分女の死骸であろう。

这时家将发现尸首堆里蹲着一个人,是穿棕色衣服、又矮又瘦像只猴子似的老婆子。这老婆子右手擎着一片点燃的松明,正在窥探一具尸体的脸,那尸体头发秀长,量情是一个女人。


下人は、六分(ろくぶん)の恐怖(きょうふ)と四分(しぶん)の好奇心とに動かされて、暫時(ざんじ)は呼吸(いき)をするのさえ忘れていた。旧記の記者の語(ご)を借りれば、「頭身(とうしん)の毛(け)も太る」ように感じたのである。すると老婆は、松の木片を、床板(ゆかいた)の間(あいだ)に挿して、それから、今まで眺めていた死骸の首に両手をかけると、丁度(ちょうど)、猿の親が猿の子の虱(しらみ)をとるように、その長い髪の毛を一本ずつ抜きはじめた。髪は手に従って抜けるらしい

家将带着六分恐怖四分好奇的心理,一阵激动,连呼吸也忘了。照旧记的作者的说法,就是“毛骨悚然”了。老婆子把松明插在楼板上,两手在那尸体的脑袋上,跟母猴替小猴捉虱子一般,一根一根地拔着头发,头发似乎也随手拔下来了。

好了,本期共读栏目到此结束,下周四我们继续,では、皆さん、おやすみなさい。

【日语共读】《罗生门》连载(1)


【日语共读】《罗生门》连载(2)


【日语共读】《罗生门》连载(3)


    本期监制: 日语之声

  本期小编: 沫    言

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