任何事都是可能的。
人可以一瞬之间飞跃于冰云之上,随着大循环之风去北方旅行,也可以伏在红色花环下,与蚂蚁交谈,就连犯下的过错和难以言喻的悲哀,在这里也会变得圣洁。
这里所讲述的故事,都是树林、原野、铁道线、彩虹和月光所赐予的:茂密的森林、风与影、夜来香、奇妙的都市、延伸至白令市的电线杆的行列……实在是一个奇异的乐园。
宫泽贤治用他短暂的37年生命,留给世人足以流传千年的经典童话。这位“代表日本的国民作家”,活着的时候,因为他的童话有着“太过强烈的个性”而遭到拒绝,仅仅自费出版了一部童话集,而且连一本也没有卖出去。死去之后,他因为这些无与伦比的童话作品而获得巨大的“重生”。
……ある小さな官衙に関する幻想……
軽便鉄道の停車場のちかくに、猫の第六事務所がありました。ここは主に、猫の歴史と地理をしらべるところでした。
書記はみな、短い黒の繻子の服を着て、それに大へんみんなに尊敬されましたから、何かの都合で書記をやめるものがあると、そこらの若い猫は、どれもどれも、みんなそのあとへ入りたがってばたばたしました。
けれども、この事務所の書記の数はいつもただ四人ときまっていましたから、その沢山の中で一番字がうまく詩の読めるものが、一人やっとえらばれるだけでした。
……这是一则关于某个小政府机关的幻想故事……
在轻便铁道的停车场附近,坐落着一间猫的第六事务所。这是一个以调查猫的历史和地理为主要事务的地方。
秘书们都身穿黑色缎面短上衣,由于身份备受尊敬,每当有人因故提出辞职,年轻的猫们都争先恐后地想补上这个空缺。
然而,这间事务所里的秘书数量总是维持在四个,在数量众多的应募者中,只有字写得最好、会念诗的猫能被选中。
事務長は大きな黒猫で、少しもうろくしてはいましたが、眼などは中に銅線が幾重も張ってあるかのように、じつに立派にできていました。
さてその部下の
一番書記は白猫でした、
二番書記は虎猫でした、
三番書記は三毛猫でした、
四番書記は竈猫でした。
所长是一只大黑猫,虽然有些年迈,眼珠子里的纹路却像紧绷着几条铜线般,显得十分气派。
它的部下中:
一号秘书是只白猫,
二号秘书是只虎皮猫,
三号秘书是只三色猫,
四号秘书是只灶猫。
竈猫というのは、これは生れ付きではありません。生れ付きは何猫でもいいのですが、夜かまどの中にはいってねむる癖があるために、いつでもからだが煤できたなく、殊に鼻と耳にはまっくろにすみがついて、何だか狸のような猫のことを云うのです。
ですからかま猫はほかの猫には嫌われます。
けれどもこの事務所では、何せ事務長が黒猫なもんですから、このかま猫も、あたり前ならいくら勉強ができても、とても書記なんかになれない筈のを、四十人の中からえらびだされたのです。
灶猫并不是与生俱来的名称。它出生时叫什么猫都无所谓,只因有半夜爬进炉灶里睡觉的癖好,身上总是被煤灰弄得很脏,尤其鼻子和耳朵的部分被染得炭黑一片,看上去像只狸。
因此,别的猫都很讨厌灶猫。
不过,这间事务所的所长好歹是只黑猫,即便按理说,这只灶猫再能干也不可能成为秘书,但它还是被选中了。
大きな事務所のまん中に、事務長の黒猫が、まっ赤な羅紗をかけた卓を控えてどっかり腰かけ、その右側に一番の白猫と三番の三毛猫、左側に二番の虎猫と四番のかま猫が、めいめい小さなテーブルを前にして、きちんと椅子にかけていました。
ところで猫に、地理だの歴史だの何になるかと云いますと、
まあこんな風です。
在大大的事务所正中,所长黑猫紧邻一张铺着大红色呢绒的桌子“咚”一声落座,它右侧是一号秘书白猫和三毛秘书三色猫,左侧是二号秘书虎皮猫和四号秘书灶猫,猫们各自围着小桌,在椅子上坐定。
要问地理和历史对猫有什么用处,大致是下面这种情形——
事務所の扉をこつこつ叩くものがあります。
「はいれっ。」事務長の黒猫が、ポケットに手を入れてふんぞりかえってどなりました。
四人の書記は下を向いていそがしそうに帳面をしらべています。
ぜいたく猫がはいって来ました。
「何の用だ。」事務長が云います。
「わしは氷河鼠を食いにベーリング地方へ行きたいのだが、どこらがいちばんいいだろう。」
「うん、一番書記、氷河鼠の産地を云え。」
一番書記は、青い表紙の大きな帳面をひらいて答えました。
「ウステラゴメナ、ノバスカイヤ、フサ河流域であります。」
砰砰砰。有人敲响事务所的大门。
“进来。”所长黑猫双手插袋,倨傲地向后靠在椅背上喊道。
四位秘书低着头,正一脸繁忙地查阅笔记本。
进门的是奢华猫。
“什么事?”所长问。
“我想到白令地区去吃冰河鼠,请问哪个地方最合适呢?”
“好。一号秘书,说说冰河鼠的产地。”
一号秘书翻开蓝色封面的大笔记本,答道:
“乌斯特拉格美娜、诺巴斯凯亚、伏萨河流域。”
事務長はぜいたく猫に云いました。
「ウステラゴメナ、ノバ………何と云ったかな。」
「ノバスカイヤ。」一番書記とぜいたく猫がいっしょに云いました。
「そう、ノバスカイヤ、それから何!?」
「フサ川。」またぜいたく猫が一番書記といっしょに云ったので、事務長は少しきまり悪そうでした。
「そうそう、フサ川。まああそこらがいいだろうな。」
「で、旅行についての注意はどんなものだろう。」
所长于是对奢华猫说:“乌斯特拉格美娜、诺巴......诺巴什么来着?”
“诺巴斯凯亚。”一号秘书和奢华猫异口同声地答。
“没错。诺巴斯凯亚,然后是什么来着!?”
“伏萨河。”奢华猫与一号秘书再次异口同声地说,所长有些难为情了。
“没错没错,伏萨河。总之那一带比较适合。”
“旅途中有什么注意事项吗?”
「うん、二番書記、ベーリング地方旅行の注意を述べよ。」
「はっ。」二番書記はじぶんの帳面を繰りました。「夏猫は全然旅行に適せず」するとどういうわけか、この時みんながかま猫の方をじろっと見ました。
「冬猫もまた細心の注意を要す。函館附近、馬肉にて釣らるる危険あり。特に黒猫は充分に猫なることを表示しつつ旅行するに非れば、応々黒狐と誤認せられ、本気にて追跡さるることあり。」
「よし、いまの通りだ。貴殿は我輩のように黒猫ではないから、まあ大した心配はあるまい。函館で馬肉を警戒するぐらいのところだ。」
“恩,二号秘书,说说到白令地区旅行的注意事项。”
“是。”二号秘书翻着自己的笔记本答道:“该地完全不适合夏猫旅行”,话音刚落,不知为何,所有猫都目不转睛地盯着灶猫。
“冬猫也需要特别留意。在函馆附近有被马肉引诱的危险。尤其是黑猫,如果不在旅行中充分展现猫的特征,容易被误认成黑狐而受到严密追踪。”
“没错,就是这样。阁下并非我这样的黑猫,所以无需担心太多。只须在函馆时警惕马肉就行。”
主播 | 小执
小编 | reno
责编 | 日语之声
小编有话
欢迎新主播小执!撒花~ 继《银河铁道之夜》后,宫泽贤治童话系列又开新坑啦,就是这本《猫的事务所》。我们会在每周日奉上这两本童话中其中一本的最新连载,交替更新。
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