【日语共读】《挪威的森林》连载 29



01

「さあね、でもいいじゃないか。どれも綺麗な写真だもの。誰がやってるにせよ、ありがたいことじゃない」と僕は慰めた。

“不知道。唉!管他的。这些照片都很好看呀!不管是谁干的,都算不上什么坏事嘛!”我安慰他。


 「そりゃまあそうだけどさ、気持わるいよね」と彼は言った。

“话是不错,可是让人觉得很不舒服呀!”他说。


 そんな突撃隊の話をすると直子はいつも笑った。彼女が笑うことは少なかったので、僕もよく彼の話をしたが、正直言って彼を笑い話のたねにするのはあまり気持の良いものではなかった。彼はただあまり裕福とはいえない家庭のいささか真面目すぎる三男坊にすぎなかったのだ。そして地図を作ることだけが彼のささやかな人生のささやかな夢なのだ。誰がそれを笑いものにできるだろう?

每当我说起“突击队”,直子就笑个不停。由于直子很少笑,我便常说些“突击队”的事引她发笑,不过老实说,把他当作笑话来说,实在让人不怎么愉快。因为他不过是一个不算富裕的家庭中的三男。一个过于严肃的小孩而已。而这个小孩的平凡人生中的一个小小的梦,不过就是做地图而已。又有谁能拿它当笑话来讲?


 とはいうものの<突撃隊ジョーク>は寮内ではもう既に欠くことのできない話題のひとつになっていたし、今になって僕が収めようと思ったところで収まるものではなかった。そして直子の笑顔を目にするのは僕としてもそれなりに嬉しいことではあった。だから僕はみんなに突撃隊の話を提供しつづけることになった。

话虽如此,但“突击队”的笑话早已成了宿舍的固定笑料之一,事到如今就算我想收回也收不回来了。再说,我也十分乐意见到直子能开怀她笑。因此,我还是继续把“突击队”的笑话说给大家听。


 直子は僕に一度だけ好きな女の子はいないのかと訊ねた。僕は別れた女の子の話をした。良い子だったし、彼女と寝るのは好きだったし、今でもときどきなつかしく思うけれど、どうしてか心が動かされるということがなかったのだと僕は言った。たぶん僕の心には固い殻のようなものがあって、そこをつき抜けて中に入ってくるものはとても限られているんだと思う、と僕は言った。だからうまく人を愛することができないんじゃないかな、と。
 「これまで誰かを愛したことはないの?」と直子は訊ねた。
 「ないよ」と僕は答えた。
 彼女はそれ以上何も訊かなかった。

只有一回,直子曾问过我有没有喜欢的女孩子。我便对她说了从前交往过的女孩的事。我告诉她,对方是个好女孩,自己也很喜欢和她做爱,现在也时常会想起她,但不知为什么就是不曾动过情。我说自己心中仿佛有个硬壳,极少有人能打破它、闯进来,所以也无法顺顺当当地谈恋爱。

“你从来不曾爱过人吗?”直子问道。

“是呀!”我答道。

她便只问到这儿为止。


02

秋が終り冷たい風が町を吹き抜けるようになると、彼女はときどき僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は直子の息づかいをかすかに感じることができた。彼女は僕の腕に腕を絡めたり、僕のコートのポケットに手をつっこんだり、本当に寒いときには僕の腕にしがみついて震えたりもした。でもそれはただそれだけのことだった。彼女のそんな仕草にはそれ以上の意味は何もなかった。僕はコートのポケットに両手をつっこんだまま、いつもと同じように歩きつづけた。僕も直子もゴム底の靴をはいていたので、二人の足音は殆んど聞こえなかった。道路に落ちた大きなプラタナスの枯葉を踏むときにだけくしゃくしゃという乾いた音がした。そんな音を聴いていると僕は直子のことが可哀そうになった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく誰かの腕なのだ。彼女の求めているのは僕の温もりではなく誰かの温もりなのだ。僕が僕自身であることで、僕はなんだかうしろめたいような気持になった。

秋天一过,街上呼呼地吹起寒风。走在路上,直子偶而便会偎在我身上。透过厚厚的粗呢外套,我依稀能感受到她的气息。她有时勾住我的手,有时则把手放进我的外套口袋中,真冷的时候,她会紧紧地搂着我发抖。不过,事实上便仅止于此。她的这些动作并没有其他的意味。我则常常是把两手插进外套的口袋中,和往常一样地踱步。由于我和直子两人穿的都是胶鞋,走起路来几乎一点声音也没有。不过,在踏着悬叶掉得满地的路上走时,总会发出蟋蟋嗦嗦的声音。一听见这种声音,我就觉得直子很教人同情。她所要的并不是我的臂膀,而是某个人的。她所要的也不是我的体温,而是某个人的。我觉着有些愧疚,为什么自己要是自己。

 
 冬が深まるにつれて彼女の目は前にも増して透明に感じられるようになった。それはどこにも行き場のない透明さだった。時々直子はとくにこれといった理由もなく、何かを探し求めるように僕の目の中をじっとのぞきこんだが、そのたびに僕は淋しいようなやりきれないような不思議な気持になった。

到了浓冬,她的眼睛仿佛比从前更透明了。那是一种教人无处藏躲的透明。常常,直子仿佛探索些什么似的凝视着我的眼时,我会觉得又寂寞又难受,一种古怪的心情。





今日主播--漓

图文编辑 | 薪火相传

责任编辑 | 日语之声

注:本节目仅用于分享和学习交流,不得转用和商用,内容版权归原作者所有。若有侵权,请在作品下方留言,我们会尽快删除。


©著作权归作者所有,转载或内容合作请联系作者
  • 序言:七十年代末,一起剥皮案震惊了整个滨河市,随后出现的几起案子,更是在滨河造成了极大的恐慌,老刑警刘岩,带你破解...
    沈念sama阅读 216,287评论 6 498
  • 序言:滨河连续发生了三起死亡事件,死亡现场离奇诡异,居然都是意外死亡,警方通过查阅死者的电脑和手机,发现死者居然都...
    沈念sama阅读 92,346评论 3 392
  • 文/潘晓璐 我一进店门,熙熙楼的掌柜王于贵愁眉苦脸地迎上来,“玉大人,你说我怎么就摊上这事。” “怎么了?”我有些...
    开封第一讲书人阅读 162,277评论 0 353
  • 文/不坏的土叔 我叫张陵,是天一观的道长。 经常有香客问我,道长,这世上最难降的妖魔是什么? 我笑而不...
    开封第一讲书人阅读 58,132评论 1 292
  • 正文 为了忘掉前任,我火速办了婚礼,结果婚礼上,老公的妹妹穿的比我还像新娘。我一直安慰自己,他们只是感情好,可当我...
    茶点故事阅读 67,147评论 6 388
  • 文/花漫 我一把揭开白布。 她就那样静静地躺着,像睡着了一般。 火红的嫁衣衬着肌肤如雪。 梳的纹丝不乱的头发上,一...
    开封第一讲书人阅读 51,106评论 1 295
  • 那天,我揣着相机与录音,去河边找鬼。 笑死,一个胖子当着我的面吹牛,可吹牛的内容都是我干的。 我是一名探鬼主播,决...
    沈念sama阅读 40,019评论 3 417
  • 文/苍兰香墨 我猛地睁开眼,长吁一口气:“原来是场噩梦啊……” “哼!你这毒妇竟也来了?” 一声冷哼从身侧响起,我...
    开封第一讲书人阅读 38,862评论 0 274
  • 序言:老挝万荣一对情侣失踪,失踪者是张志新(化名)和其女友刘颖,没想到半个月后,有当地人在树林里发现了一具尸体,经...
    沈念sama阅读 45,301评论 1 310
  • 正文 独居荒郊野岭守林人离奇死亡,尸身上长有42处带血的脓包…… 初始之章·张勋 以下内容为张勋视角 年9月15日...
    茶点故事阅读 37,521评论 2 332
  • 正文 我和宋清朗相恋三年,在试婚纱的时候发现自己被绿了。 大学时的朋友给我发了我未婚夫和他白月光在一起吃饭的照片。...
    茶点故事阅读 39,682评论 1 348
  • 序言:一个原本活蹦乱跳的男人离奇死亡,死状恐怖,灵堂内的尸体忽然破棺而出,到底是诈尸还是另有隐情,我是刑警宁泽,带...
    沈念sama阅读 35,405评论 5 343
  • 正文 年R本政府宣布,位于F岛的核电站,受9级特大地震影响,放射性物质发生泄漏。R本人自食恶果不足惜,却给世界环境...
    茶点故事阅读 40,996评论 3 325
  • 文/蒙蒙 一、第九天 我趴在偏房一处隐蔽的房顶上张望。 院中可真热闹,春花似锦、人声如沸。这庄子的主人今日做“春日...
    开封第一讲书人阅读 31,651评论 0 22
  • 文/苍兰香墨 我抬头看了看天上的太阳。三九已至,却和暖如春,着一层夹袄步出监牢的瞬间,已是汗流浃背。 一阵脚步声响...
    开封第一讲书人阅读 32,803评论 1 268
  • 我被黑心中介骗来泰国打工, 没想到刚下飞机就差点儿被人妖公主榨干…… 1. 我叫王不留,地道东北人。 一个月前我还...
    沈念sama阅读 47,674评论 2 368
  • 正文 我出身青楼,却偏偏与公主长得像,于是被迫代替她去往敌国和亲。 传闻我的和亲对象是个残疾皇子,可洞房花烛夜当晚...
    茶点故事阅读 44,563评论 2 352

推荐阅读更多精彩内容

  • 1.暗闇より夜魔来たる-1あなたはきっとこんな私をお許しにはならないでしょう…ですが、私はあなたを守る以外の何かを...
    波沙诺瓦阅读 3,257评论 0 7
  • 1.暗闇より夜魔来たる-1あなたはきっとこんな私をお許しにはならないでしょう…ですが、私はあなたを守る以外の何かを...
    波沙诺瓦阅读 1,925评论 1 2
  • 陽の光 闇の月 陽も月も異なれど、同じように地上を照らす。けれど、両者は決してまみえることはない。陽が輝くとき月は...
    波沙诺瓦阅读 2,250评论 0 7
  • 虽然想加上之一,但此刻没有之一。 其实就吃了块苏打饼,我就这么感性,怎么办?真好养。
    凡三阅读 457评论 2 6
  • (申命记4:10) 你在何烈山站在耶和华你神面前的那日,耶和华对我说:‘你为我招聚百姓,我要叫他们听见我的话,使他...
    天路客語阅读 206评论 0 1