2017/1/14付
かつてはごく普通に、むしろ肯定的な意味合いで使われていたが、いまでは使うべきではないとされる言葉がある。「寿退職」もそのひとつだ。結婚した女性はみな会社を辞め、それが祝福された時代。あの新婦たちは心から笑っていたのだろうかと、いまにして思う。
【有的词汇在过去,与其说广为使用,不如说是作为肯定的意义来使用,而如今却认为不应该使用。“寿退休”就是其中一个。那是一个新婚女性从公司辞职是值得被祝福的年代。如今我在想,那样的新娘子是发自内心的快乐着的吗。】
▼この「寿退職」という言葉が今も生きている場がある。大学を卒業した後、NPOなど社会貢献の世界で働く男性が自嘲を込めて使う。家族ができたのを機に一般企業に転職する例が目立つからだ。NPOの有給職員の年収は平均で200万円前後。社会貢献意識が高い若者たちが関心を抱く職場の、これが現実でもある。
【“寿退职”这样的词汇如今仍有在使用。在大学毕业后,类如在NPO这样的为社会作贡献的地方工作的男性们用这样的词汇来自嘲。因为他们把成家作为契机,跳槽到一般的企业,这类现象很是引人注目。NPO的带薪职员的年收入平均为200万日元左右。因此使得职场中存在很多有着高度社会贡献意识的年轻人,这也是现实。】
▼その一方で、非営利分野の取材では前向きで元気な女性に会うことが多い。留学経験者などが大企業やITベンチャーから転じてくるからだ。貧困者支援などのNPOで働く女性を近著「N女の研究」で紹介したノンフィクション作家の中村安希さんは、政府や自治体の支援をあてにしない若い世代の覚悟を感じたと記す。
【另一方面,在非盈利领域的采访中,也有很多积极进取的女性。因为有留学经历的人大都是从大企业和IT创业投资跳槽过来的。纪实作家中村安希在他的近作《N女的研究》中为在支援贫困者的NPO(非营利组织)中工作的女性做了介绍,感觉到年轻的一代有了不再指望政府和自治体的支援的觉悟了。】
▼社会をよくしたいと奮闘するそんなN女たちも、夫のリストラなどで家計を支える立場になれば企業社会に戻っていく。行政に代わる社会課題の解決役として期待され、新しい生き方として注目されているNPOも、低賃金という壁を越えなければ、一時のブームで終わりかねない。ここにもまた働き方改革の課題がある。
【想让社会变得更好而努力奋斗的N女们,也都是因为丈夫的雇佣调整,为了维持生计重返职场。NPO作为一种取代行政起到解决社会问题的作用的生存方式而备受关注,并且如果能超越底薪壁垒的话,也许最终会在短时间内兴起。这个也正作为改革的课题。】
【注释】
1.寿退社
読み方:ことぶきたいしゃ
別表記:寿退職
結婚に伴い、退社・退職すること。多くは女性で、専業主婦になったり子育てに専念するためであることが多い。【実用日本語表現辞典】
资料来自http://www.nikkei.com/article/DGXKZO11685780/ (日本経済新聞)