心
《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
87
九月始めになって、私(わたくし)はいよいよまた東京へ出ようとした。私は父に向かって当分今まで通り学資を送ってくれるようにと頼んだ。
「ここにこうしていたって、あなたのおっしゃる通りの地位が得られるものじゃないですから」
私は父の希望する地位を得(う)るために東京へ行くような事をいった。
「無論口の見付かるまでで好(い)いですから」ともいった。
到了九月初,我真的又要到东京去了。我要求父亲暂时还象以前那样给我寄学费。
“这样老呆在家里,是不会找到您所说的那种工作的。”
我把事情说得似乎是为了寻求父亲所期待的那种职位,才要去东京的。我又说:
“当然啦,钱只要寄到找到工作时就可以了。”
私は心のうちで、その口は到底私の頭の上に落ちて来ないと思っていた。けれども事情にうとい父はまたあくまでもその反対を信じていた。
「そりゃ僅(わずか)の間(あいだ)の事だろうから、どうにか都合してやろう。その代り永くはいけないよ。相当の地位を得(え)次第独立しなくっちゃ。元来学校を出た以上、出たあくる日から他(ひと)の世話になんぞなるものじゃないんだから。今の若いものは、金を使う道だけ心得ていて、金を取る方は全く考えていないようだね」
我心中暗想。这种职位终究不会落在我头上的。可是不知外面情况的父亲,还一直认为正相反。
“既然这样:那也是短时期内的事,总得给你想想办法,但是长期下去可不行,找到一定的工作就该独立生活。本来既然毕了业,第二天就不能再靠别人帮助了。现在的年轻人,光知道花钱,一点儿不想想挣钱的门路。”
父はこの外(ほか)にもまだ色々の小言(こごと)をいった。その中には、「昔の親は子に食わせてもらったのに、今の親は子に食われるだけだ」などという言葉があった。それらを私はただ黙って聞いていた。
小言が一通り済んだと思った時、私は静かに席を立とうとした。父はいつ行くかと私に尋ねた。私には早いだけが好(よ)かった。
「お母さんに日を見てもらいなさい」
「そうしましょう」
除此之外,父亲还发了许多牢骚。其中说过这样一句话:“过去是儿子供养老子,如今却是老子供养儿子。”对这些话我只有默默地听着。
一通牢骚过后,我正想悄悄离开时,父亲忽然问起我什么时候走。在我看来,当然是越早越好。
“让你娘定个日子吧。”
“好吧。”
その時の私は父の前に存外(ぞんがい)おとなしかった。私はなるべく父の機嫌に逆らわずに、田舎(いなか)を出ようとした。父はまた私を引(ひ)き留(と)めた。
「お前が東京へ行くと宅(うち)はまた淋(さみ)しくなる。何しろ己(おれ)とお母さんだけなんだからね。そのおれも身体(からだ)さえ達者なら好(い)いが、この様子じゃいつ急にどんな事がないともいえないよ」
那时我在父亲面前格外服贴,想尽量顺从他的意思离开故乡。父亲又留住我:
“你一去东京,家里又要冷清,反正,只有我和你娘了。我的身子骨要是结实也好,可这般光景,说不定什么时候就会发生意外呢。”
主播介绍
本期主播:Reno
本期编辑:LMN
责任编辑:日语之声
“注:本节目仅用于分享和学习交流,不得转用和商用,内容版权归原作者所有。若有侵权,请在作品下方留言,我们会尽快删除。