旅途中的明信片 水野叶舟

旅途中的明信片

水野叶舟

2026.8.2.

现在,我到了花卷。

九点,现在刚到花卷。前往目的地远野的马车马上就要出发,但听说路途相当遥远,而且也不急着赶路,昨晚又没睡好,所以决定今天就在这里休息一整天。早知道这样,还不如在仙台下车好了。

刚到这里,我立刻给S君发了电报:花卷,齐藤旅馆。

真是寂寞啊

独自一人待在陌生土地的旅舍里,真是寂寞啊。我总觉得,仿佛来到了一个荒唐得离谱的地方,格外寂寞。寂寞得不行。所以,我要给你写明信片。别再睡着了?晚上八点,花卷,M生。

现在,从花卷出发

上午九点,一辆马车沿着前面的街道驶来。我马上就要登上它,离开这里了。几天前,这辆马车在前往远野的途中,行至猿ヶ石川断崖附近时翻覆了。因此,今天早晨,旅馆的人们又反复向我们抱怨路况糟糕、马车危险等等,把我们吓了一通。

然而,去远野除了坐这辆马车之外,实在别无他法。虽然有人力车,但要六圆七圆的,对我们来说根本负担不起。不过,一听说危险,心里确实也有些不安。每次出门旅行,总是遇到这种事,真是些坏心眼的人。但既然已经决定坐马车,那就只能这样了。

于是,我把从今早开始的这些牢骚都写给你了。正好马车还没动,趁着这个空当儿。……第二天,在花卷市郊外,M出生。

在猿石川的河岸边

从那以后,我们又在花卷城郊渡过了北上川。那是一座长长的、极长的船桥。如今,我们已穿过沿猿石川岸边的悬崖,来到一个小小的村落,马车停了下来。一路惊险不断,总算平安无事地走到了这里。

据说接下来到远野还有六里路。还有一大段路要摇晃着才能到达目的地,真是令人厌倦透了。下午两点多,M生。

夜——吹雪

终于抵达远野,已是晚上十点半。

太阳正好沉落在宫守与鳟泽之间。马车沿着山腰蜿蜒的山路行驶了许久,四周渐渐暗了下来,而且开始下起雪来。等过了鳟泽时,已变成暴风雪。马车里只有腰部以上靠在窗边,而窗户上挂着帘子,外面的风雪毫不留情地灌进来,冷得难以忍受。我裹紧外套,缩着身子坐着,脚尖几乎要冻僵了。

马车在暴风雪中离开鳟泽,又前行了一里左右,在路边有成排树木的地方停了下来。这时,似乎从后方的马车上下来了一个人,喊了一句“请休息一下!”,黑影一闪而过,随即消失在某处。

我总觉得看到了什么奇怪的东西。

接着再行一阵,进入远野町,果然气氛变得明亮起来。现在,我已到达途中听说是远野最好的旅馆——高善。无论如何,今晚总算能好好睡一觉了。本还想多写些,但就此告辞吧。再见。于远野,M生。

语言不通

第二天一早,我便去拜访了S君家,随即决定就住在他那里。S君的家位于有旅店的町道旁,稍偏一点的地方。

虽然有许多事想告诉你,但最要紧的是我现在处境有些为难。因为那天去S君家时,他母亲出来迎接,我向她打招呼说:“这次打扰您了。”对方似乎也说了些什么,但我完全没听懂。看来他们没能理解我的话,脸上露出奇怪的表情,真是怪异。后来我仔细留意着听,发现这里的方言实在难以理解。

而且天气特别冷,到处都还是雪景,眼睛都快疼了。我好像得了面神经痛,右半边脸一直疼痛不止,大概也是因为太冷的缘故吧。

过两三天再写信。预计十二号左右出发。六日中午,前往远野S君处。M生。

旅からのはがき

水野葉舟

   今、花巻に着いた

 九時、今、花巻に着いた。目的地の遠野行きの馬車はすぐ出るんだが、道はずいぶん遠いそうだし、それにそういそぐわけではなし、昨晩はろくに眠れなかったから、今日は一日ここで眠ろうと定めた。こんな事なら仙台で降りればよかった、と思ってる。

 ここに来て、今、S君に電報を打った。花巻。斉藤旅館にて。

   寂しいもんだ

 知らぬ土地の旅舎やどやで一人ぽつねんとしているってことは寂しいことだ。僕は何だか、とんでもないところに来たような気がするほど寂しい。寂しい。だから君にはがきを書く。一層寝ちまえ? 夜八時、花巻にて、M生。

   今、花巻を発つ

 午前九時、前の街道とおりに馬車が来た。今これからそれに乗って、ここを発つのだ。二三日前、遠野へ行く途中、この馬車が猿ヶ石川の断崖にさしかかるところで転覆したそうだ。それで、今朝も宿屋の人達に道の悪いこと、馬車の危険なことなどを散々に言っておどかされた。

 しかし、遠野に行くのには、この馬車に乗るより外に、何の方法もないのだ。人車はあるが、六円の七円のと言ってとても僕等の手に合う筈はない。でも危険だと言われると、さすがに不安だ。旅に出るとよくこんな目に逢う。人の悪い奴等だ。でも馬車に乗るときめた。

 そして、この朝からの愚痴を、君に書いたのだ。ちょうど馬車が急に動き出さないものだからね、その間に。……二日、花巻の町はずれにて、M生。

   猿ヶ石川の川岸にて

 あれから花巻の町はずれで、また北上川を渡った。長い長い船橋だった。今は、猿ヶ石川の岸に沿った断崖の上を通りすぎて、ちょっとした村で馬車がとまった。散々おどかされた途中は、先ず無事だった。

 これから、遠野まで六里だそうだ。まだ大分ゆられなくっちゃ目的地には着けないんだ。もううんざりしている。午後二時すぎ、M生。

   夜――吹雪

 今やっと遠野に着いた。夜の十時半だ。

 日はちょうど、宮守と鱒沢との間で暮れた。山の中腹を縫った道を永いあいだ馬車が駆けて行くうちに、四辺あたりが次第に暗くなって来た。おまけに雪が降り出した。鱒沢を過ぎる頃にはもう吹雪だ。馬車に腰をかけて肩から上のところは窓、その窓に垂幕があるばかり、外の雪は容赦なく吹き込んでくる。寒さにたえられぬ。僕は外套でしっかりとからだを包んで坐っていた。足の先が切れるかと思うほど冷かった。

 その吹雪の中を馬車が鱒沢を出て小一里も来たろう。路傍に並木のあるのが見えるところで止った。すると後の馬車から誰かが降りたらしく、

「お休みなんし!」と言って黒影がちらと見えたと思ったら、どこかに消えてしまった。

僕は何だか不思議なものを見るような気がした。

 それからまた一走り、遠野の町にはいると、さすがにどことなく明るい。で今、途中で聞いた遠野で一番だと言う宿屋の高善たかぜんと言うのに着いたところだ。何はとも角、今夜は、眠れるんだ。もっと書きたいが、これで御免を蒙る。さよなら。遠野にて、M生。

   言葉が通じない

 あの翌日、起きるとS君の家を訪ねた。で、すぐそこに移る事にした。S君の家は、宿屋のある町通りから、少し横にはいったところ。

 まあ、君にいろいろ報せたいことはあるが、何より第一僕は困ったよ。と言うのはね、あの次の日にS君の家に行くと、S君の阿母おっかさんが出てこられたから「このたびは御厄介になります」と言って挨拶をしたんだね。先方でも何か言われたようだが、僕には何と言われたのかよく分らないんだ。先方でも僕の言葉が通じなかったと見えて、変な顔をしておられるのさ。妙だったね。それから、気を付けて聞いて見るんだがここの言葉はいかにも分らない。

 それから、実に寒い。まだどこを見ても雪ばかりだ。目が痛いようだ。僕どうしたのか、顔面神経痛にかかったらしい。右の半面が痛んでならない。やはり寒いせいだろう。

 いずれ又二三日中に書く。出立は十二日くらい。六日昼、遠野S君方。M生。

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