【日语共读】蟹工船(16)

从今天开始,蟹工船共读栏目将

迎来新人主播miko,

今天主播 miko 为我们继续带来

日本文学《蟹工船》(16)

  では、はじめましょう!


           蟹工船(16)                           



 然し、それでも全くかまわない。何故(なぜ)なら、日本帝国のためどんなものでも立ち上るべき「秋(とき)」だったから。――それに、蟹工船は純然たる「工場」だった。然し工場法の適用もうけていない。それで、これ位都合のいい、勝手に出来るところはなかった。

 可是这也完全无关紧要,因为为了日本帝国,一切的一切都到了应该动员起来的时候了嘛!再说,蟹工船纯粹是个“工厂”,可是工厂法也管不着。所以再也没有这么方便而又可以信着意儿干的地方了。


 利口な重役はこの仕事を「日本帝国のため」と結びつけてしまった。嘘(うそ)のような金が、そしてゴッソリ重役の懐(ふところ)に入ってくる。彼は然しそれをモット確実なものにするために「代議士」に出馬することを、自動車をドライヴしながら考えている。――が、恐らく、それとカッキリ一分も違わない同じ時に、秩父丸の労働者が、何千哩(マイル)も離れた北の暗い海で、割れた硝子屑(ガラスくず)のように鋭い波と風に向って、死の戦いを戦っているのだ!

 脑筋活泛的大老板们把这件事跟“为了日本帝国”联系在一起。神话似的那么多的钱就通通进了老板的腰包。然而他们还一边坐着汽车兜风,一边盘算着要去竞选议员,奵把这项生意作得更牢靠。可是,恐怕就在这同时,一分一秒都不差,秩父号的工人们正在远离几千哩之外的北海上,向那碎玻璃碴一样尖利的风浪进行着拼死的决斗呐!


 ……学生上りは「糞壺(くそつぼ)」の方へ、タラップを下りながら、考えていた。
 「他人事(ひとごと)ではないぞ」
 「糞壺」の梯子(はしご)を下りると、すぐ突き当りに、誤字沢山で、


      雑夫、宮口を発見せるものには、バット二つ、手拭一本を、賞与としてくれるべし。
                  浅川監督。


 と、書いた紙が、糊代りに使った飯粒のボコボコを見せて、貼(は)らさってあった。

 ……学生出身的渔工朝着“粪坑”的方向走下舷梯,心里想,“这事可不是与已无关哪!”

 一走下“粪坑”的梯子,迎面儿一张白字连篇的纸条,拿饭粒当浆糊麻麻扎扎地贴在那儿,上边写着:

      有发观杂工宫口者,可赏蝙蝠烟两包,一条手巾。

                      监督 浅川 

 

 霧雨が何日も上らない。それでボカされたカムサツカの沿線が、するすると八ツ目鰻(うなぎ)のように延びて見えた。
 沖合四浬(かいり)のところに、博光丸が錨(いかり)を下ろした。――三浬までロシアの領海なので、それ以内に入ることは出来ない「ことになっていた」。

 毛毛细雨好儿天也不见晴。烟雨茫茫的堪察加海岸线,看上去就像一条鳗鱼在蜿蜒滑动。

    博光号在离海岸四浬远的洋面上下了锚。因为离岸三浬就是俄国领海,“规定”不得入内。


 網さばきが終って、何時(いつ)からでも蟹漁が出来るように準備が出来た。カムサツカの夜明けは二時頃なので、漁夫達はすっかり身支度をし、股(また)までのゴム靴をはいたまま、折箱の中に入って、ゴロ寝をした。

   渔网全抖搂开了,作好准备,随时都可以捕蟹。堪察加天亮在两点钟左右,所以渔工们一切装束停当,穿着齐腿根儿的胶靴钻进点心匣子般狭窄的架铺里,囫囵个就躺下了。



本期主播


栏目/日语共读

翻译/林少华

主播/miko

小编/小小铭

责编/日语之声




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