【日语共读】《心》夏目漱石(116)


       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。


 

  何も知らない私は、叔父(おじ)を信じていたばかりでなく、常に感謝の心をもって、叔父をありがたいもののように尊敬していました。叔父は事業家でした。県会議員にもなりました。その関係からでもありましょう、政党にも縁故があったように記憶しています。父の実の弟ですけれども、そういう点で、性格からいうと父とはまるで違った方へ向いて発達したようにも見えます。父は先祖から譲られた遺産を大事に守って行く篤実一方(とくじついっぽう)の男でした。楽しみには、茶だの花だのをやりました。それから詩集などを読む事も好きでした。書画骨董(しょがこっとう)といった風(ふう)のものにも、多くの趣味をもっている様子でした。家は田舎(いなか)にありましたけれども、二里(り)ばかり隔たった市(し)、――その市には叔父が住んでいたのです、――その市から時々道具屋が懸物(かけもの)だの、香炉(こうろ)だのを持って、わざわざ父に見せに来ました。父は一口(ひとくち)にいうと、まあマン?オフ?ミーンズとでも評したら好(い)いのでしょう。比較的上品な嗜好(しこう)をもった田舎紳士だったのです。だから気性(きしょう)からいうと、闊達(かったつ)な叔父とはよほどの懸隔(けんかく)がありました。それでいて二人はまた妙に仲が好かったのです。父はよく叔父を評して、自分よりも遥(はる)かに働きのある頼もしい人のようにいっていました。自分のように、親から財産を譲られたものは、どうしても固有の材幹(さいかん)が鈍(にぶ)る、つまり世の中と闘う必要がないからいけないのだともいっていました。この言葉は母も聞きました。私も聞きました。父はむしろ私の心得になるつもりで、それをいったらしく思われます。「お前もよく覚えているが好(い)い」と父はその時わざわざ私の顔を見たのです。だから私はまだそれを忘れずにいます。このくらい私の父から信用されたり、褒(ほ)められたりしていた叔父を、私がどうして疑う事ができるでしょう。私にはただでさえ誇りになるべき叔父でした。父や母が亡くなって、万事その人の世話にならなければならない私には、もう単なる誇りではなかったのです。私の存在に必要な人間になっていたのです。

 

 

    一无所知的我,不仅信任叔叔,而且常常怀着感激的心情把他当作难得的好人一样尊敬。叔叔是个企业家,还做了县议会议员。大概因为这层关系,记得好象与政党也有关系。从这一点来看,他虽然是父亲的胞弟,但性格的发展却同父亲截然相反。父亲是个珍重祖传遗产的老实人,他嗜好品茶养花,喜欢读些诗歌什么的,而且对书画古董也极有兴趣。叔叔家在乡下,可人却住在城里——大约相距二里远的城市。从这个城里常常有旧家具店的人带来字画、香炉之类的古董,给父亲看。简单说来,父亲可以说是man of means(注:英语,有财主、资本家、有办法的人等义),是个比较有点风雅爱好的乡绅。因此就性情而论,同豁达的叔叔是有很大差异的。然而两个人的感情却又格外好。父亲经常称赞叔叔是个远比自己更有作为而可靠的人。还说过象他自己这样继承父母财产的人,天赋的才干总要迟钝起来,也就是说因为无需再进行奋斗了嘛!所以就落伍了。这些话,母亲和我都听到过,我想显然是父亲在有意开导我,才说这样的话的。‘你要经常记住才好。’那时父亲特意望着我的脸这样说过。所以我还没有忘掉这句话。我怎么能怀疑父亲如此信赖、称赞的叔叔呢?在我眼里,叔叔本来就是我引以自豪的人。父母去世后,我的一切都仰仗他的帮助。他不仅仅使我自豪,毋宁说已经成为我生活中不可缺少的人了。


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