《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
私はまた父の様子を見に病室の戸口(とぐち)まで行った。病人の枕辺(まくらべ)は存外(ぞんがい)静かであった。頼りなさそうに疲れた顔をしてそこに坐っている母を手招(てまね)ぎして、「どうですか様子は」と聞いた。母は「今少し持ち合ってるようだよ」と答えた。私は父の眼(まなこ)の前へ顔を出して、「どうです、浣腸(かんちょう)して少しは心持が好(す)くなりましたか」と尋ねた。父は首肯(うなず)いた。父ははっきり「有難う」といった。父の精神は存外朦朧(もうろう)としていなかった。
我又来到病房门口,看了看父亲的病情。病人枕边格外平静。母亲坐在那里,神色孤苦,面带倦容。我向她招招手,问道:“病情怎么样了?”母亲答道:“现在好象平稳一些了。”我又走到父亲跟前,问:“怎么样,洗过肠心里好些么?”父亲点点头,声音清晰地说:“谢谢。”想不到他的神志并不糊涂。
私はまた病室を退(しりぞ)いて自分の部屋に帰った。そこで時計を見ながら、汽車の発着表(はっちゃくひょう)を調べた。私は突然立って帯を締め直して、袂(たもと)の中へ先生の手紙を投げ込んだ。それから勝手口から表へ出た。私は夢中で医者の家へ馳(か)け込んだ。私は医者から父がもう二(に)、三日(さんち)保(も)つだろうか、そこのところを判然(はっきり)聞こうとした。注射(ちゅうしゃ)でも何でもして、保たしてくれと頼もうとした。医者は生憎(あいにく)留守であった。私には凝(じっ)として彼の帰るのを待ち受ける時間がなかった。心の落(お)ち付(つ)きもなかった。私はすぐ俥(くるま)を停車場(ステーション)へ急(いそ)がせた。
我退出病室,又回到自己房间。在这里,我看过钟点,又翻阅了火车时间表,蓦地站起身,重新系好腰带。把先生的信装在袖子里,然后从后门溜出去。我不顾一切地跑到医生家。本来我要向医生问个清楚,父亲能不能再维持两三天,打针也罢,用其它什么办法也罢,请他想个办法。偏不凑巧,医生不在家。我心里乱作一团,没有工夫呆在这里等他回来,马上叫了人力车,赶到火车站。
私は停車場(ていしゃば)の壁へ紙片(かみぎれ)を宛(あ)てがって、その上から鉛筆で母と兄あてで手紙を書いた。手紙はごく簡単なものであったが、断(ことわ)らないで走るよりまだ増(ま)しだろうと思って、それを急いで宅(うち)へ届けるように車夫(しゃふ)に頼んだ。そうして思い切った勢(いきお)いで東京行きの汽車に飛び乗ってしまった。私はごうごう鳴る三等列車の中で、また袂(たもと)から先生の手紙を出して、ようやく始めからしまいまで眼(まなこ)を通した。
我把一张纸片贴在车站的墙上,用铅笔给母亲和哥哥写了一封信。我觉得信虽然很短,但总比不辞而别要好得多,并托车夫立刻送到家里。接着我毫不犹豫地跳上去东京的火车。在轰隆轰隆响动的三等车箱里,我又从袖子中取出先生的信,才从头到尾地看下去。
主播介绍
本期主播:晋助
本期编辑:LMN
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