【日语共读】《挪威的森林》连载(26)

Nov

27

本文字数:1091

阅读时间:7分钟


01

    

    東京について寮に入り新しい生活を始めたとき、僕のやるべきことはひとつしかなかった。あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分のあいだにしかるべき距離を置くこと――それだけだった。僕は緑のフェルトを貼ったビリヤード台や、赤いN360や机の上の白い花や、そんなものをみんなきれいさっぱり忘れてしまうことにした。火葬場の高い煙突から立ちのぼる煙や、警察の取調べ室に置いてあったずんぐりした形の文鎮や、そんな何もかもをだ。はじめのうちはそれでうまく行きそうに見えた。しかしどれだけ忘れてしまおうとしても、僕の中には何かぼんやりとした空気のかたまりのようなものが残った。そして時が経つにつれてそのかたまりははっきりとした単純なかたちをとりはじめた。僕はそのかたちを言葉に置きかえることができる。それはこういうことだった。

    死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。

    到了东京,住进宿舍,开始我的新生活时,我知道只有一件事是自己该做的。

亦即凡事都不能想得太深,凡事和自己之间都必须保持适当的距离。我决定将过去的一切忘得一干二净,忘了那铺着绿毡的撞球台,红色的N360、座位上的白花,还有从火葬场那高耸的烟囱冒出来的烟、警察局的审问室里那个厚重的文镇,这一切的一切都要忘掉。刚开始的时候进行得还算顺利,但不论如何努力想忘掉,我心中总是还残存着一种朦胧而仿佛空气一般的凝块。随着时光的流逝,那凝块渐渐地形成了一种单纯、清楚的形状。我现在可以用一句话来替代这个形状了,也就是底下这句话。

死不是生的对立,而是它的一部分。


    言葉にしてしまうと平凡だが、そのときの僕はそれを言葉としてではなく、ひとつの空気のかたまりとして身のうちに感じたのだ。文鎮の中にも、ビリヤード台の上に並んだ赤と白の四個のボールの中にも死は存在していた。そして我々はそれをまるで細かいちりみたいに肺の中に吸いこみながら生きているのだ。 そのときまで僕は死というものを完全に生から分離した独立的な存在として捉えていた。つまり<死はいつか確実に我々をその手に捉える。しかし逆に言えば死が我々を捉えるその日まで、我々は死に捉えられることはないのだ>と。それは僕には至極まともで論理的な考え方であるように思えた。生はこちら側にあり、死は向う側にある。僕はこちら側にいて、向う側にはいない。

   将它替换成文字就显得俗气多了,但对于当时的我而言,我所感受到的并不是文字,而是一种空气的凝块。死,它存在于文镇里面,存在于撞球台上面四个并排的红、白色球里。我们一边慢慢地将它吸进肺里,像是吸细小的灰尘一般,一边过活。

在那之前,我将死看成是一种和生完全迥异的东西。死,就是“总有一天,死会紧紧的箍住我们。但是反过来说,在死箍住我们之前,我们是不会被死箍住的”。我一直觉得这是最合乎逻辑的思考方式。生在这头,死在那头。而我是在这头,不是那头。



02

   しかしキズキの死んだ夜を境にして、僕にはもうそんな風に単純に死を(そして生を)捉えることはできなくなってしまった。死は生の対極存在なんかではない。死は僕という存在の中に本来的に既に含まれているのだし、その事実はどれだけ努力しても忘れ去ることのできるものではないのだ。あの十七歳の五月の夜にキズキを捉えた死は、そのとき同時に僕を捉えてもいたからだ。 僕はそんな空気のかたまりを身のうちに感じながら十八歳の春を送っていた。でもそれと同時に深刻になるまいとも努力していた。深刻になることは必ずしも真実に近づくことと同義ではないと僕はうすうす感じとっていたからだ。しかしどう考えてみたところで死は深刻な事実だった。僕はそんな息苦しい背反性の中で、限りのない堂々めぐりをつづけていた。それは今にして思えばたしかに奇妙な日々だった。生のまっただ中で、何もかもが死を中心にして回転していたの

     然而自从木漉自杀的那个晚上开始,我无法再把死(还有生)看得那么单纯了。死已不再是生的对立。死早已存在于我的体内,任你一再努力,你还是无法忘掉的。因为在五月的那个夜里箍住木漉的死,也同时箍住了我。

  我就这样一面感受那空气的凝块,一面度过我十八岁那年的春天。但同时,我也努力不让自己变得深刻。我渐渐能意会到,深刻并不等于接近事实。不过,左思右想,死仍旧是一种深刻的事实。我便在这几乎令人窒息的矛盾中,来回地兜着圈子。如今回想起来,那真是一段奇妙的日子。在生的正中央,一切事物都以死为中心,不停地旋转着。

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