先日のフランス出張の際、駅の売店に入ってぎょっとした。ずらりと並ぶたばこの包みが、病気の人や患部の写真ばかりなのだ。喫煙しない身ながら箱の一つを手に取ってみると、模様も何もなく血を吐く女性の写真がある。「吸えば死ぬ」の文字も調べると、こうした包みは今年1月から完全に義務化されたようで「たばこの魅力を徹底的に減らす」のが目的という。
前几日在法国出差时,我进了车站的一家商店,吓了一大跳。这一排包装全是病人或患处的照片。尽管我从不吸烟,还是拿起了一盒,那上面没有花纹,只印着吐血的女性照片。我再查了查“吸烟有害健康”这句话,才知道这样的包装是从今年1月开始完全义务化,目的是“彻底减少烟草的魅力”。
とはいえ煙が社会から締め出されているかというと、そうでもない。カフェの屋外席では、たばこ片手にワインを味わう人たちがいて楽しそうだ。
话虽如此,这并不意味着要在社会上取缔烟草。看着人们坐在咖啡厅外的座位上只手持烟、品尝红酒,也不失为一种乐趣。
受動喫煙の被害が大きい店内は厳しく規制する一方、外ではご自由にということか。なかなか理にかなっている印象である。比べて我が国の禁煙論議の迷走ぶりはどうだろう。
一方面,店里被动吸烟伤害较大,因此要严格限制;另一方面,在店外就任君自由了。这种方法十分合理,相较之下,我国的禁烟讨论却陷入困境,真是令人唏嘘。
受動喫煙で肺がんのリスクが1・3倍に高まるとの分析結果がある。それでも自民党たばこ議連は、飲食店の経営に打撃があるとして屋内禁煙に抵抗する。屋外の喫煙規制が先に進んだ日本独特の難しさも言われる。だとすれば、それも俎上(そじょう)に載せて議論すればいい。
分析结果显示,患肺癌的几率会因被动吸烟而提高1.3倍。即便如此,自民党烟草议联还是拒绝店内禁烟,理由是这样会打击饭店的经营。这也算是率先限制店外吸烟的日本所独有的难处吧。这样的话,倒不如把店内禁烟措施也提出来,掀起一番社会热议。
「証拠に基づいて政策を作ることが日本では遅れている」と、公共政策に詳しい中室(なかむろ)牧子・慶応大准教授は言う。受動喫煙は被害がはっきりしており、禁煙に踏み込めれば「政策作りの転機になる」。多くの分野で根拠を示した議論が必要なのだろう。
“日本在基于实证制定政策这方面已经落后了。”专攻公共政策的庆应大学副教授中室牧子说道。被动吸烟的伤害已经公之于众,如果深入禁烟的话,“将成为制定政策的转机。”也许我们需要的正是在多领域实证分析下的讨论吧。
好き嫌いや思い込みを脇に置く。吸う人も吸わない人も納得できる線引きはできないものか。科学的な証拠の力を借りながら。
放下喜恶和偏见,借由科学证明的力量,这样难道还不能划分出一条界限,令吸烟者与不吸烟者都能同意么?