むかしむかし、つる平さんという人が、お嫁さんの実家へ出かけました。
お嫁さんの実家の人は、みんな大喜びです。
很久很久以前,有一个叫做鹤平的人,他去拜访妻子的娘家。娘家人非常开心。
「よく来てくれたのう」
「婿どのには、おいしいものをごちそうするからな」
お母さんは台所に行くと、何かを作り始めました。
“欢迎你来!”
“我去给女婿做好吃的。”
妈妈来到厨房开始做好吃的。
すると台所へ、子どもたちが行きました。
お母さんは子どもたちを追い出そうと、子どもたちに言いました。
「これこれ、近寄るんじゃないよ。今作っているのは、恐ろしいものだからね」
「きゃーっ、恐ろしいものだって!」
「逃げろ! 逃げろ!」
子どもたちは、あわてて逃げて行きました。
小孩子们也跑去了厨房。
妈妈把小孩子年了出去,对小孩子们说。
“哎,你们不要靠近哦,我现在做的是可怕的东西!”
“啊!有可怕的东西!”
“快跑!快跑!”
孩子们慌慌张张地逃跑了。
さて、これを聞いていたつる平さんも、なんだか恐ろしくなりました。
(恐ろしいものとは、何だろう?)
しばらくして、お母さんは作ったものをつる平さんの前に運んできました。
听到这话的鹤平开始觉得害怕(可怕的东西是什么呢?)
过了一会儿,妈妈把做好的东西端到鹤平面前。
「さあ、おいしいものが出来ましたよ」
けれど、つる平さんは食べようとせず、真っ青な顔でブルブルと震えていました。
「どうしました? たんと作ったから、どんどん食べてくださいよ」
そう言われても、恐ろしくて手が出せません。
“来,还吃的东西做好了!”
但是鹤平一点不想吃,脸色发青,浑身颤抖。
“怎么了?好不容易做好的,快尝尝!”
即便妈妈这样说,鹤平也怕的不敢伸手拿。
出されたものをチラリと見ると、まっ黒な気味の悪いものがたくさん並んでいます。
「あの、その、・・・わしは、腹が、いっぱいで」
「ああ、そうね。そんならお重に詰めてあげるから、おみやげに持って行きなされ」
お母さんはそう言って、怖いものを詰めたふろしき包みをつる平さんの首にゆわえてくれました。
妈妈做的食物乍看上去黑黑的,感觉很恶心。
“啊,那个……我吃的太饱了。”
“啊,这样啊。那我给你装好,你当做特产带上吧。”
妈妈说着把可怕的东西装在包袱里,挂在了鹤平的脖子上。
怖いふろしき包みを首にゆわえたつる平さんは、生きた心地がしません。
「もし、怖いものが食いついて来たら、どうしよう?
でも、せっかくのもらいものを、捨てるわけにもいかんし。
・・・あっ、いいものが落ちているぞ」
つる平さんは道に落ちていた長い木の棒を拾うと、ふろしき包みを棒の先の方にゆわえつけて、さわらない様にして歩いて行きました。
脖子上挂着可怕东西包裹的鹤平,快要被吓死了。
“万一被可怕的东西给吃了,这可怎么是好。”
但是妈妈辛苦做的东西,也不能扔掉。
“……哎,有好东西掉下来了。”
鹤平在路上捡到一根落下来的长木棒,于是他把包裹挂在了木棒的一头,不接触它,继续向前走。
「よし、これなら大丈夫」
安心して歩いて行くと、石につまずいて転びそうになりました。
「あっ!」
そのひょうしに棒の先の包みが滑って、つる平さんの首にペタンとすいついてきました。
「ひゃあっ、助けてくれえー!」
つる平さんはふろしき包みを投げ出して、家にかけ出しました。
“好了,这下没事了。”
安心走路的鹤平突然不小心被石头绊倒了。
“哎呀!”
木棒另一头挂的包裹顺势滚到了鹤平头上。
“啊!救命!”
鹤平扔了包裹,拼命向家的方向跑去。
家に逃げ込んだつる平さんは、大急ぎでお嫁さんに怖いおみやげの話をしました。
それを聞いたお嫁さんは、つる平さんに言いました。
「まあまあ、それはきっと、おはぎですよ」
「おはぎ?」
「知りませんか? それなら一緒に拾いに行きましょう」
お嫁さんはそう言うと、つる平さんと一緒に、ふろしき包みを拾いに出かけました。
ふろしき包みは、すぐに見つかりました。
逃回家的鹤平急忙对妻子讲了可怕特产的事。
听到这儿,妻子对和平说
“啊,那一定是牡丹饼。”
“牡丹饼?”
“你不知道吗?那我们一起把它找回来吧。”
妻子说着和鹤平一起出门去找包裹。很快就发现了包裹。
お嫁さんが包みを開くと、中からおはぎが出て来ました。
「ほら、やっぱりおはぎですよ」
お嫁さんに言われて、つる平さんがそれを見てみると、おはぎのあんこのところがくずれて、中の白いごはんが見えていました。
「あっ、やっぱり怖いものだ! 白い牙をむいてる!」
つる平さんはまっ青な顔をして、飛ぶ様に逃げてしまいました。
妻子打开包裹,发现了牡丹饼。
“你看,果然是牡丹饼吧!”
听到妻子这么说,鹤平看了看牡丹饼,发现红豆包着的地方漏出了白米饭。
“啊!果然是可怕的东西!他还呲着白牙呢!”
鹤平青着脸,飞快地逃跑了。
重要单词
お土産 特产
怖い 可怕
おはぎ 牡丹饼