【日语共读】《心》夏目漱石(176)



《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。



私はそれまで躊躇(ちゅうちょ)していた自分の心を、一思(ひとおも)いに相手の胸へたたき付けようかと考え出しました。私の相手というのはお嬢さんではありません、奥さんの事です。奥さんにお嬢さんをくれろと明白な談判を開こうかと考えたのです。しかしそう決心しながら、一日一日と私は断行の日を延ばして行ったのです。そういうと私はいかにも優柔(ゆうじゅう)な男のように見えます、また見えても構いませんが、実際私の進みかねたのは、意志の力に不足があったためではありません。Kの来ないうちは、他(ひと)の手に乗るのが厭(いや)だという我慢が私を抑(おさ)え付けて、一歩も動けないようにしていました。Kの来た後(のち)は、もしかするとお嬢さんがKの方に意があるのではなかろうかという疑念が絶えず私を制するようになったのです。はたしてお嬢さんが私よりもKに心を傾けているならば、この恋は口へいい出す価値のないものと私は決心していたのです。恥を掻(か)かせられるのが辛いなどというのとは少し訳が違います。こっちでいくら思っても、向うが内心他(ほか)の人に愛の眼(まなこ)を注(そそ)いでいるならば、私はそんな女といっしょになるのは厭なのです。世の中では否応(いやおう)なしに自分の好いた女を嫁に貰(もら)って嬉(うれ)しがっている人もありますが、それは私たちよりよっぽど世間ずれのした男か、さもなければ愛の心理がよく呑(の)み込めない鈍物(どんぶつ)のする事と、当時の私は考えていたのです。一度貰ってしまえばどうかこうか落ち付くものだぐらいの哲理では、承知する事ができないくらい私は熱していました。つまり私は極めて高尚な愛の理論家だったのです。同時にもっとも迂遠(うえん)な愛の実際家だったのです。

我曾思量着,要不要把自己一直犹豫不决的内心,一下子倾诉给对方?我说的对方并非指小姐,而是夫人。我曾想过,是不是干脆同夫人开诚布公地说把小姐嫁给我吧。但是,我虽然下了这样的决心,却又一天天拖延下去。说起来,我真是个优柔寡断的人。就算这样倒也罢了,然而真正阻碍我前进的,并不是由于我缺乏胆量,而是由于在K没来的时候,我怕上人家的圈套,忍耐压抑着我,不能往前迈一步。K来以后,我又疑心小姐是否对K有意,这种疑虑不断地纠缠着我。我下了决心,倘若小姐真正倾心的是K,而不是我,那么这样的爱情便没有提出的价值了。丢脸跟痛苦是略有不同的。一方无论怎样想,如果另一方向她意中的别人暗送秋波,我是不愿意同这种女人在一起的。世上也确有一种人,不顾人家愿不愿意,硬是娶了自己喜爱的女人而沾沾自喜。当时我认为这种人不是比我们更诡谲的人,便是根本不懂得爱的蠢货。其实一旦成了亲,便一切都会平息了。连这么明显的道理我都不能理解,真是头脑发热。总之,我是个极高尚的爱情的理论家,而同时又是个最迂腐的爱情的实践者。


肝心(かんじん)のお嬢さんに、直接この私というものを打ち明ける機会も、長くいっしょにいるうちには時々出て来たのですが、私はわざとそれを避けました。日本の習慣として、そういう事は許されていないのだという自覚が、その頃の私には強くありました。しかし決してそればかりが私を束縛したとはいえません。日本人、ことに日本の若い女は、そんな場合に、相手に気兼(きがね)なく自分の思った通りを遠慮せずに口にするだけの勇気に乏しいものと私は見込んでいたのです。

在长时期接触中,也本来常常有直接向关键的小姐表白自己心事的机会的,但是我都故意回避了。那时候我顽固地认为在日本人的习惯中,是不能允许这种事的,但是,决不能说只是它束缚了我。我深信:日本人,特别是日本年轻女子在这种场合下,都是缺乏不顾对方就公开表达自己心事的勇气的。



 

主播介绍


本期主播:清香

本期编辑:晋助

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