《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
「私は蔭(かげ)へ廻(まわ)って、奥さんとお嬢さんに、なるべくKと話をするように頼みました。私は彼のこれまで通って来た無言生活が彼に祟(たた)っているのだろうと信じたからです。使わない鉄が腐るように、彼の心には錆(さび)が出ていたとしか、私には思われなかったのです。
我背地里要求夫人和小姐尽量多同K说话。因为我只是认为是他以前一直过的那种沉默的生活,造成了恶果。正如闲置的铁一样,他的内心已经生了锈。
奥さんは取り付き把(は)のない人だといって笑っていました。お嬢さんはまたわざわざその例を挙げて私に説明して聞かせるのです。火鉢に火があるかと尋ねると、Kはないと答えるそうです。では持って来(き)ようというと、要(い)らないと断るそうです。寒くはないかと聞くと、寒いけれども要らないんだといったぎり応対をしないのだそうです。私はただ苦笑している訳にもゆきません。気の毒だから、何とかいってその場を取り繕(つくろ)っておかなければ済まなくなります。もっともそれは春の事ですから、強(し)いて火にあたる必要もなかったのですが、これでは取り付き把がないといわれるのも無理はないと思いました。
夫人笑了,说他是个无法接近的人。小姐又特意为我举个例子来说明。据她说有一回,她问他火盆里有没有火,K答道没有。她说那就端来吧,K拒绝说,不要。她又问不冷么,他却说冷,但不要。只是说到这里,不再应酬。听了这样的问答,我连苦笑也笑不出了。真可怜,我要不说点什么搪塞一下,便觉得过意不去。然而我想,已经到了春天了,也没有必要非烤火不可。因此说他让人无法接近,也不是没有道理的。
それで私はなるべく、自分が中心になって、女二人とKとの連絡をはかるように力(つと)めました。Kと私が話している所へ家(うち)の人を呼ぶとか、または家の人と私が一つ室(へや)に落ち合った所へ、Kを引っ張り出すとか、どっちでもその場合に応じた方法をとって、彼らを接近させようとしたのです。もちろんKはそれをあまり好みませんでした。ある時はふいと起(た)って室の外へ出ました。またある時はいくら呼んでもなかなか出て来ませんでした。Kはあんな無駄話(むだばなし)をしてどこが面白いというのです。私はただ笑っていました。しかし心の中(うち)では、Kがそのために私を軽蔑(けいべつ)していることがよく解(わか)りました。
所以我尽量以自己为中心,想方设法让两个女人和K多接近。当K和我闲谈的时候,就把家里人请过来,或者我同她们在一起的时候,也把K拉进来。总之,我随机应变要K同她们接近。当然K是不大喜欢这种方式的,有时他忽然起身到室外去了,还有时怎么叫,他也不肯出来。他说这么闲聊有什么意思!我只是笑一笑,心里却很明白,他在为此看不起我了。
主播介绍
本期主播:行天
本期编辑:LMN
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