心
《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
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私はこの「おれが死んだら」という言葉に一種の記憶をもっていた。東京を立つ時、先生が奥さんに向かって何遍(なんべん)もそれを繰り返したのは、私が卒業した日の晩の事であった。私は笑(わら)いを帯びた先生の顔と、縁喜(えんぎ)でもないと耳を塞(ふさ)いだ奥さんの様子とを憶(おも)い出した。あの時の「おれが死んだら」は単純な仮定であった。今私が聞くのはいつ起るか分らない事実であった。私は先生に対する奥さんの態度を学ぶ事ができなかった。しかし口の先では何とか父を紛らさなければならなかった。
“我要是死了”这句话,唤起了我的回忆。那是我毕业的那天晚上,要离开东京的时候,先生对夫人重复了好几遍的话。我不由地回想起面带笑容的先生和捂着耳朵不愿听这晦气话的夫人。那时所听到的“我要是死了”,只是单纯的假设,而现在我所听到的,却是随时可能发生的事实。我做不出夫人对先生的那种神态,但是,却不能不用空话采安慰父亲。
「そんな弱い事をおっしゃっちゃいけませんよ。今に癒(なお)ったら東京へ遊びにいらっしゃるはずじゃありませんか。お母さんといっしょに。今度いらっしゃるときっと吃驚(びっくり)しますよ、変っているんで。電車の新しい線路だけでも大変増(ふ)えていますからね。電車が通るようになれば自然町並(まちなみ)も変るし、その上に市区改正もあるし、東京が凝(じっ)としている時は、まあ二六時中(にろくじちゅう)一分もないといっていいくらいです」
“您别说这样气馁的话。您不是说病好以后还要去逛东京吗?同我娘一起去。这回要是去了,您一定会吃惊哪,变化可大了。光是电车路线就开了好些。电车一通,街道马上就变,况且市区也要改建。东京太热闹了,真可说是一分钟也休想停顿下来。”
私は仕方がないからいわないでいい事まで喋舌(しゃべ)った。父はまた、満足らしくそれを聞いていた。
病人があるので自然家(いえ)の出入りも多くなった。近所にいる親類などは、二日に一人ぐらいの割で代る代る見舞に来た。中には比較的遠くにいて平生(へいぜい)疎遠なものもあった。「どうかと思ったら、この様子じゃ大丈夫だ。話も自由だし、だいち顔がちっとも瘠(や)せていないじゃないか」などといって帰るものがあった。私の帰った当時はひっそりし過ぎるほど静かであった家庭が、こんな事で段々ざわざわし始めた。
我也出之无奈,连不需讲的话也说了一通。父亲听了,似乎还挺满意。
家里一有病人,出入的人也自然多起来。附近的亲戚们隔两天就有人来探望一回。其中有些人还住得很远,平时不大来往。“我以为怎么了。看样子不要紧,说话也挺清楚的,脸上一点没见瘦呵。”有人这样说过就回去了。我回来时家里是那样静寂冷清,如今因父亲的病,渐渐乱了起来。
その中に動かずにいる父の病気は、ただ面白くない方へ移って行くばかりであった。私は母や伯父(おじ)と相談して、とうとう兄と妹(いもと)に電報を打った。兄からはすぐ行くという返事が来た。妹の夫からも立つという報知(しらせ)があった。妹はこの前懐妊(かいにん)した時に流産したので、今度こそは癖にならないように大事を取らせるつもりだと、かねていい越したその夫は、妹の代りに自分で出て来るかも知れなかった。
这期间,不能活动的父亲,病情却变得越发重了。我同母亲和叔叔商量过之后,终于给哥哥和妹妹发了电报。哥哥回话马上动身。妹夫也说就来。这位妹夫前些时候告诉我们,说妹妹上次怀孕流了产,这次必须格外小心,免得再出事儿,也许自己会替妹妹来。
主播介绍
本期主播:エル
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