【日语共读】《挪威的森林》连载(28)


01

    

    しかし僕と直子の関係も何ひとつ進歩がないというわけではなかった。少しずつ少しずつ直子は僕に馴れ、僕は直子に馴れていった。夏休みが終って新しい学期が始まると直子はごく自然に、まるで当然のことのように、僕のとなりを歩くようになった。それはたぷん直子が僕を一人の友だちとして認めてくれたしるしだろうと僕は思ったし、彼女のような美しい娘と肩を並べて歩くというのは憩い気持のするものではなかった。我々は二人で東京の町をあてもなく歩きつづけた。坂を上り、川を渡り、線路を越え、どこまでも歩きつづけた。どこに行きたいという目的など何もなかった。ただ歩けばよかったのだ。まるで魂を癒すための宗教儀式みたいに、我々はわきめもふらず歩いた。雨が降れば傘をさして歩いた。

    而我和直子间的关系也渐渐地有了进步。我们彼此越来越能适应对方。当暑假结束,开学之后,直子便自然而然地、仿佛理所当然似的开始和我并肩走路了。我想直子大概已经把我看作她的朋友了。能和这么一个美丽的女孩走在一块儿,也让人觉得怪舒服的。碰面时,我们便漫无目的地在东京街头逛。上坡、过河、穿过铁道、四处闲逛。随想随走,没有任何目的地。只是不停地踱步。下雨便撑着伞走。


   秋がやってきて寮の中庭がけやきの葉で覆い尽された。セーターを着ると新しい季節の匂いがした。僕は靴を一足はきつぶし、新しいスエードの靴を昇った。 
 その頃我々がどんな話をしていたのか、僕にはどうもうまく思いだせない。たぶんたいした話はしていなかったのだと思う。あいかわらず我々は過去の話は一切しなかった。キズキという名前は殆んど我々の話題にはのぼらなかった。我々はあいかわらずあまり多くはしゃべらなかったし、その頃には二人で黙りこんで喫茶店で顔をつきあわせていることにもすっかり馴れてしまっていた。
 

秋天一到,宿舍的院子里满地尽是榉木的落叶。穿上毛衣,还真有些换季的味道。因为穿坏了一双鞋子,我便又买了一双鞣皮的鞋子穿。

那时候我们究竟都聊了些什么,我已经记不清楚了。想来大概没谈过什么要紧的话罢!但一如以往,我们绝口不提过去。我们几乎完全不提木漉这个名字。我们的话仍旧不多,两人也习惯了在咖啡店中相对无语。 




02

  直子は突撃隊の話を聞きたがっていたので、僕はよくその話をした。突撃隊はクラスの女の子(もちろん地理学科の女の子)と一度デートしたが夕方になってとてもがっかりした様子で戻ってきた。それが六月の話だった。そして彼は僕に「あ、あのさ、ワタナベ君さ、お、女の子とさ、どんな話するの、いつも?」と質問した。僕がなんと答えたのかは覚えていないが、いずれにせよ彼は質問する相手を完全に間違えていた。七月に誰かが彼のいないあいだにアムステルダムの運河の写真を外し、かわりにサンフランシスコのゴールデン・ブリッジの写真をはっていった。     

直子爱听“突击队”的笑话,我便时常说给她听。有一回,“突击队”和他班上的一位女同学(当然也是地理系的学生)约会,到了傍晚,他无精打采地回来。

这是六月的事情了。他问我:“喂……喂!渡边,你都和女……女孩聊些什么呀?”我记不得当时是怎么回答,总之,他根本就问错对象了。

到了七月,居然有人趁他不在时,将阿姆斯特丹运河的照片撕下,换上旧金山金门大桥的照片。






今日主播--研

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